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Channel: Onkelさんの日記 - フォト蔵
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肺ガン闘病記 一

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そもそも

2011年も押し詰まり、別棟に住む息子家族と年越しの食卓を囲み、近くの神社へ二年参りに出かけたりしていた。そして明けて2012年正月も三ヶ日が過ぎ、そろそろいろいろな活動が開始された頃、ある朝突然声が出なくなった。
「あれ?風邪ひいたかな?」
一週間が過ぎたが治らない。
「おかしいナー」 

医者通い

昔から医者は大嫌いなわが輩だが、かみさんに尻を叩かれ渋々耳鼻咽喉科へ行ってみた。そこで鼻から内視鏡が突っ込まれ
「ちょっと見てください。右の声帯は動いているのに左側は動いていませんね。麻痺しているんです。」
「・・・・・・・・」
「この麻痺の原因をハッキリさせた方がいいと思うので、良い病院を紹介しますから調べてもらってください。」
次第にただ事ではなくなってくるのが分かった。紹介されたA病院の耳鼻咽喉科へ外来予約を取り、紹介状を持って一週間後診療に訪れた。そこで胸部レントゲンを撮ってみたが異常は分からなかった。もっと精密に検討するためCTを撮ることになった。一週間後再び外来で通院し予約したCT撮影をした。撮影したCT画像を検討していた担当ドクターは極めてハッキリと言った。
「一寸心配な病気が見つかりました。」
「先生ガンてことですか?」
ドクターはゆっくり首をふり「そのようです。」
吾輩は殆ど動揺はなかったが、隣にいたかみさんの顔色が見る見る変わるのが分かった。「院内の呼吸器内科のドクターを紹介しますからそちらで治療しましょう。いいドクターですよ。」
精密CT・MRI・PET&CTの予約を取りいったん家へ帰った。また一週間後の通院だが、かみさんの落ち込みようはひどく心配になった。予約の日すべての撮影の後、呼吸器内科のKドクターの診察を受ける。この日は心配だからと息子がついてきた。所見はさらにすごいもので、原発腫瘍は心臓の下のあたりの背中側にあるとのこと。さらに左肺のリンパ節に転移し、挙げ句の果てに脳にも転移していると、画像を示しながら説明してくれた。
さあ大事になったぞ。
Kドクターは冷静にこの病気に対して今後はどういう治療が有効か、幾つか提案してくれた。
まず脳に転移した腫瘍は15個あるが、大きなものでも15ミリ程度なので「ガンマーナイフ」でピンポイント治療が可能で確実なこと。
ただ肺の原発腫瘍とリンパ節に転移した腫瘍は無くなることはないが、化学療法で出来る限り小さくして押さえていく方法があること。
ここまでくれば吾輩は俎上の鯉、Kドクターを信じてすべて任せることにした。
入院は二月十四日に予約して準備をすることにした。生まれて69年未だかつて病気らしい病気をしたこともなく、まして入院など考えたこともなかったのに、まさに青天の霹靂である。かみさんは自分の両親や吾輩の母親を看取った経験があるので、いざとなると肝が据わりこまごまと用意を始めた。改めて感心しながら吾輩は自分の必要なものをまとめた。

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